使いきれなかった チーズの ように 眠る
寝袋の中で感じる明るさ
ペットボトルのココアを振ると 冬銀河
切株に痰も小雨も降ってきた
今朝の冬半透明の黄の付箋
秋風とまた叱られるランチ
雨漏りの溜まる花瓶 神の旅
私から冬のフォークを捨てる
爪伸びきった 雪女になった
箱ティッシュ ぎっしり 詰まって取りづらい
トイレットペーパー すっと切れて雪
見えずらいもの増えてきて 蜜柑揉む
鎌倉の日本地図 内臓のよう
歯の裏のざらつきに似て冬の星
大雪の居酒屋石の忘れもの
冬の朝電子レンジが火花して
耳朶が冬の空へと逃げたがる
マスキングテープ伸ばせば初時雨
行く秋の半透明のレジ袋
カレー食うペースが同じ冬隣
耳掻のささやかな白秋灯
血液が耳まで届く冬の虹
電気毛布に浮かびつつ沈みつつ
爪先が毛布に触れるたび静か
石鹸玉離れる地軸傾いて
整骨院終え秋空に白長須鯨
冬の星まだ溶けきらないハッカ飴
水羊羹優しい人の字がきれい
露寒の噛む葡萄味果汁グミ
十月の靴の下敷ふわふわふわ
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類